自然

【火山】のことがよくわかる絵本4選 -自然科学・文化・防災-

ほんのまち

火山のことがよくわかる絵本5選です。火山のしくみや歴史・文化といったさまざまな面から、火山を知ることができます。防災を考えるきっかけにも。

1. 火山はめざめる

【絵本について】
はぎわらふぐ 作 / 早川由紀夫 監修(福音館書店)
福音館書店【火山はめざめる】紹介ページ

  • 日本で実際に起きた火山の噴火を、地質・歴史の観点から丁寧に描き解説した本
  • 同じ山でも、噴火の状況はさまざまで それぞれの噴火について丁寧な解説がある
  • 精緻な絵と丁寧な説明で、絵本をとおして防災について考えるきっかけに。

「火山はめざめる」は、実際に起きた火山の噴火の様子を精密に描いた絵本。

長野・群馬にまたがる浅間山は、噴火を繰り返してきました。昭和時代にも何度か噴火があったため、人々は「火山の爆発に慣れていた」と絵本では語ります。

しかし、よりさかのぼる江戸時代・平安時代の噴火では、甚大な被害をもたらしていました。

絵本では、噴火前の人々の暮らしや軽井沢の風景、そして噴火の様子が大変緻密に描かれています。静かな絵だからこそ、噴火によって、それまでの日常が一瞬にして変わってしまうこと実感します。防災を考えるきっかけにも。

【年齢のめやす】小学校中学年頃から

2. 富士山大ばくはつ

【絵本について】
かこさとし・作(小峰書店)
小峰書店【富士山大ばくはつ】紹介ページ

  • 富士山のなりたちをとおして噴火の歴史・噴火の影響を知ることができる
  • 噴火当時の時代背景もまじえた説明で、自然科学だけでなく歴史・文化も同時に知ることができる
  • 理解しやすい絵と 丁寧な説明でわかりやすい

絵本「だるまちゃんとてんぐちゃん」で有名な工学博士かこさとしさんによる 富士山のなりたち・火山の歴史をつづった絵本。

伊豆半島・箱根山とも関連する「富士山のなりたち」にはじまり、古富士から新富士となり、その後もいくたびか噴火をくりかえしてきたことがわかります。

「日本後記」に描かれた800年頃の富士山のことや、江戸時代に流行った「富士講」といった歴史・文化的背景もわかります。富士山の歴史を知る一冊です。

【年齢のめやす】小学校中学年頃から

3. 地球 -その中をさぐろう-

【絵本について】
かこさとし・作(福音館書店)
福音館書店【地球】紹介ページ

  • 足もとから地球の真ん中までの様子をくわしく描いている
  • 自然の土地から現代的利用まで、自然・地理・歴史が横断的にわかる。火山についてマントル・マグマだまりといった地球の奥深くから説明している
  • 見応えのある詳しい絵と、ひらがなで書かれた詳しい説明で、じっくり読める

わたしたちの暮らす地球の地面の下がどのようになっているかを、足もとから地球の真ん中まで順番に丁寧に描いた絵本。

草木の根っこにはじまり、さまざまな地層のあるところ。もっと深いところに進んでいくと、地殻・マグマだまり・マントルといった巨大なエレルギーが存在することまで詳しく描かれています。

丸い地球という大きな視点から、火山について記述したロングセラー絵本です。

【年齢のめやす】読んであげるなら5・6歳頃から / 自分で読むなら小学低学年頃から

4. 桜島の赤い火

【絵本について】
宮武 健仁 文・写真(福音館書店)
福音館書店【桜島の赤い火】紹介ページ

  • 桜島をとおして、自然の「畏れ」と「美しさ」を同時に感じる写真絵本
  • 同じ桜島の噴火でも、見る場所によって見え方が全く違う発見がある
  • 文章は長めで、写真は大きくてわかりやすい。長く読み継がれている福音館書店の科学絵本『たくさんのふしぎ』傑作集のなかの一冊

「桜島の赤い火」は、今なお噴火し続ける鹿児島・桜島の写真絵本です。

桜島の赤い火や、噴火の際に見られる火山雷とよばれる雷の写真の数々を見ていると、自然への畏れと同時に、まるでSF映画のような幻想的な雰囲気もあります。

興味深いのは、鹿児島の2つの小学校の子どもたちが描いた桜島の絵です。

一方の小学校の子どもたちは、噴煙をあげつつも穏やかな桜島を描きました。
もう一方の小学校の子どもたちは、激しく爆発する桜島を描いていました。

見る場所・立っている場所によって桜島の印象が大きく違う、というどこか哲学的な意味も示唆する絵本。

【年齢のめやす】小学中学年頃から

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