【ケーブルカー・登山電車】のおすすめ絵本4選
ケーブルカー・登山電車・山岳鉄道がテーマの絵本を4冊紹介します。いずれも山の鉄道を丁寧に描いた名作です。
1. のぼれ!ケーブルカー
【絵本について】石橋真樹子 作(福音館書店)
- 実在するケーブルカーがモデルの絵本
- 縦開きの絵本は ケーブルカーが山を登っていく気分を楽しめる
- 絵がメインで小さなこどもから楽しく読める
ケーブルカーに乗って、お山へ遠足にいくお話。
お土産やさんがならぶ参道の階段をのぼったら、山のふもとの駅につきます。そこからケーブルカーに乗って、途中駅でもうひとつのケーブルカーとすれちがったり、山の木々から鹿が顔をだしていたり、車窓から見える景色にわくわくします。
実際にケーブルカーに乗車する気分になるような、ユニークな縦開きの絵本です。
丹沢・大山ケーブルがモデルになっています(車両は多摩・御岳ケーブルのデザインです)。
2. のぼれのぼれアプト式きかんしゃ
【絵本について】清水達也 著 / 津田光郎 絵(国土社)
- 国内唯一のアプト式鉄道・大井川鐵道がモデルの絵本
- 急勾配をのぼる工夫や安全対策がわかる
- 列車や鉄道を丁寧に描いた絵本
国内唯一のアプト式鉄道・大井川鐵道井川線を丁寧に描いた絵本です。
井川線は90‰(1000mに対し90mの勾配)もの急勾配をすすむため、さまざまな工夫がなされています。なかでも歯車を噛み合わせて昇り降りするラックレールが特長的です。
「どうやって安全にのぼるの?」「どんな車両でのぼるの?」というはてなに答えてくれる一冊。アプト式列車のことをさらに知りたくなったら大井川鐵道ウェブサイトもおすすめです。
大井川鐵道「アプト式列車」
https://daitetsu.jp/abt
3. はこねのやまのとざんでんしゃ
【絵本について】横溝英一 作(福音館書店)
- 箱根登山電車の1日の様子を、精緻な絵で丁寧に描いた絵本
- 急勾配をのぼる工夫と安全対策がわかる
「あじさい電車」でもおなじみ、四季折々の風景が美しい箱根登山鉄道の1日を精密な絵と説明で描いた絵本。
箱根登山電車もまた、80‰(1000mに対し80mの勾配)という急勾配の鉄道。上述の大井川鐵道アプト式列車と違うのは、ラックレール(歯車)ではない点です。
列車は、モーター全開で急坂を「ウォーングォーン」と力強く進みます。曲がりくねった急坂や、スイッチバックをへて、上へ上へと登ります。
安全が最重要である登山鉄道では「特殊なブレーキ」「全車両に設置された強いモーター」「撒水装置」といったさまざまな工夫がされています。
それほどまでに険しい鉄道ですが、沿線には四季折々の繊細で美しい風景が続き、多くの人が訪れます。登山鉄道の力強さと、風景の美しさ、そして箱根の日常を丁寧に描いた名作です。
4. スイス鉄道ものがたり
【絵本について】宮脇俊三 文 / 黒岩保美 絵(福音館書店)
- スイスの山岳鉄道を、美しい絵と詳しい説明で描いた絵本
- スイスの鉄道について知ることができる
スイスの鉄道について、美しい絵と丁寧な説明で描いた絵本です(内容は1992年当時のものです)。
主人公は、チューリヒの路面電車や通学用ケーブルカー、国境地帯バーゼルを行き交う各国の列車やインターシティを見学したり、乗車します。そして、いよいよ山岳鉄道に向かいます。
「ブリエンツ・ロートホルン鉄道」「ユングフラウ鉄道」「ラウターブルンネン・ミューレン鉄道」「氷河鉄道」などさまざまな列車が車窓の美しい風景とともに描かれています。
説明が多く文字数も多いため小学生中学年以上向きですが、美しい絵とともにスイス鉄道がイメージしやすい内容です。